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■エピソード7

サプライズプレゼント 投稿

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私の住む村、嬬恋村にある愛妻の丘でほんの少しの勇気を持ち行なったある出来事のお話である。
毎年9月の初旬にこの場所で、「キャベツ畑の中心で愛を叫ぶ」俗称キャベチューが行なわれる、有名なイベントがある。
私たち夫婦は料理から、清掃、接客まで二人で行なう小さなペンションを経営してる。
この日もいつものように朝からお客様の接客に追われていた。
突然思い立ち、キャベチュー会場へ行くことにした。
忙しいのと体を休めたいので、最初は女房は反対したが、いやいや付いて来たようである。
午前中から始まったこのイベントだが、着いたときには会場には、老若男女たくさんの人が楽しそうに叫び台のほうに向かい、それぞれ、広場で景色を眺めたり、人の叫びを聞いたりしながら楽しんでいた。
私は女房にここで待つようにと言い残して、一人で叫び台の方向へむかった。
最初は何かわけがわからないまま、女房は周りの景色を眺めながら人の叫ぶ「愛しているよ~」の声を聞いていたようだ。
司会者が、次の叫ぶ人を面白おかしく紹介した、ついに来た私の番であった。
最初は冗談で考えていたこともあり、軽く申し込んだが急に緊張してきた。
叫び台からは、浅間山が正面に180度の巨大パノラマで見えその下には永遠に続く緑の絨毯に思えるほどのキャベツ畑が広がる。
その昔妻をなくした日本武尊が、この場所で亡き妻を想い、今風に言えば「愛しているよ~我妻へ」と叫んだという伝説の場所である。
私は、実際にこの風景を見た瞬間に不思議な力が湧いてきた。
今まで緊張と何を上手に叫ぼうかと考えていたが、浅間山と周りのキャベツ畑に向けて一礼をすると、なんだか妻への感謝の気持ちが一杯に満ち溢れてきた。
頭の中が無になった。
「ひろみー、愛しているよ、今まで何も言わないで俺について来てくれて本当にありがとう、これからもこんな俺だけど一生お前のことを大切にするよー・・・」
観客からは大きな拍手と歓声をいただいた。
大勢の人の顔がはっきり見えた。
その中でもひときわ私の女房の嬉しそうな顔が鮮明に新鮮に、素敵な写真のようにくっきり見えた。
涙を流していた、いや笑っていた、はにかんでいたのか。
叫び終わり、女房のもとへ、自然と手をつなぐ、女房から小さな声で「ありがとう」の言葉がきこえた。

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